2020年度のB型肝炎ワクチン追加接種プログラムに参加しました

2020年度のB型肝炎ワクチン追加接種プログラムに参加しました

序論

いろいろな情勢のせいで赤血球製剤をはじめ輸血用血液製剤がたいへん不足しているようです。
年末年始にかけておおよそ関東圏で2000人程度が不足する見立てになっていて、コミックマーケットに出張った献血バスで回収できてた献血血液の分がぽっかり欠落している具合です。
参っちゃいましたね。年末年始にちょっとだけ外の空気を吸いたいなら、献血に行く大義名分を背負って外に出ると良いんじゃないでしょうか。

それはそれとして。今回はまた成分献血の話です。しかも輸血とはあんまり関係ない血漿の。

本論

成分献血から得られる血小板については、赤血球製剤より寿命が短いしそれなりに使うので在庫が欲しいものです。
でも新鮮凍結血漿に関しては凍結1年間保存できるので、そう逼迫するようなものでもないです。そもそも輸血の観点からすると需要としてもそんなにないです。
血漿は免疫グロブリン製剤といった医薬品の原料としての役割が大きいです。詳しくは前の記事をご覧ください。

抗コロナウイルス特殊免疫グロブリン製剤医師主導治験

話は変わりますが免疫グロブリン製剤はウイルス感染症に使われます。さてここから素人考えで飛びつくのがCOVID-19に対してですが、満を持して治験が始まるようです。
この治験は特殊免疫グロブリン製剤ですが、COVID-19から回復した方の血液に由来する血漿で武田薬品工業株式会社が関わっています。これはウイルスの除去を狙う治療薬らしい治療薬です。良い結果がでるといいですね。
通常の免疫グロブリン製剤はもう試されて、海外でRCTも実施されて結構優秀そうです。ただ日本だと標準の薬物療法(今のところレムデシビルとデキサメタゾンがガイドラインで推奨されています)にはなっていないようです。
これはウイルス除去というより、炎症制御の役割が大きいんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか。はっきりとは知りません。話を献血に戻します。

B型肝炎ワクチン追加接種プログラム

抗HBs人免疫グロブリン製剤(HBIG)の国内自給率は雀の涙ほどです。そこで国内自給率を上げようと厚生労働省は今までにB型肝炎ワクチンを打ってそうな人たちに追加接種プログラムを実施して抗体を作らせ、原料となる血漿を確保しようと試みています。
日本では定期接種になってまだ日が浅いので、自給達成なんて向こう20年くらい無理だと思います。
ただ20年経ったらなんとかなります。定期接種になって今や0~2歳児のほとんどがB型肝炎ワクチンを接種したようです。全員が全員抗体を得る訳ではないですけど、これなら大丈夫でしょう。

B型肝炎ワクチンを打ったことがあるので、追加接種プログラムのお便りが届きました。
どうせ無駄だな思っても無料でB型肝炎ワクチンが打てるなら行ってしまいます。しばらくの間は、他人の使用済み針を誤って自分に刺しても根拠のない無敵感を味わえるかもしれません。
1週間前に希望日時と場所を選んで手紙を出して返信が来たら準備完了です。普段行っている献血ルームでは追加接種を受けられないので、行ったことのない献血ルームに行きました。

ついでにその場で成分献血をしました。献血関係で2回も針を刺すのに、追加接種も含めて3回も針を刺されることになります。

献血を終えて30分したら追加接種です。のほほんと構えていたら、妙に大きく袖をまくり上げることになりました。なんだか変だと思ったら三角筋にめがけて打つとのことです。筋肉内注射です。

てっきり皮下注射だと思ってました。ワクチンを打ってくれた先生も臨床だと筋注はしないとのことで、その通りだと思います。針刺し事故だと筋注推奨になってましたけど。
同意書を読んだら堂々と筋注って書いてました。一応、メリットとしては抗体価がよく上がるそうです。局所反応も少なかったり。むしろ皮下注のが悪者みたいです。
実際ワクチンの投与経路が皮下ばかりなのは日本の歴史的経緯というだけで、諸外国では筋注が主みたいです。

皮下注には慣れてますけど筋注は初めてです。痛みもそこそこに違和感が強かったです。筋肉が圧迫されている感覚があったり、動くとニュルっと薬液が漏れたような感覚がしました。まあ特に問題はないですけど。

追加接種を受けたらその2週間後、遅くとも12週間後以内に献血に行く必要があります。これはいつも行っている献血ルームで大丈夫でした。ただ接種後の副反応の有無を知らせる書類を書いて提出する必要があります。

そしてプログラム参加者は特別な通知を受けることができます。HBs抗体がどのくらいになったかです。

結果としては抗体価は約9300mIU/mLでした。もちろん相場から考えると笑えるほど高くなってますけど、HBIGの原料として使える基準は20000mIU/mL以上なのでこの血は通常の献血血液です。

とまあ、本当に無駄足だった訳です。半日を丸潰しにして3回も針に刺されてこれでした。
もしもまた呼ばれたら行くと思いますけど。

結論

HBIGの自給率向上という目標は達成できませんでしたけど、血液を欲している人は沢山います。
献血に行けたら行ってください。
年末年始はピンチです。献血のお礼が妙に豪華になってるところから察してください。
コミックマーケット献血応援イベントもありますし。
献血の経験がある方は予約をされた方がよろしいかと。

参考文献

若者の献血離れが深刻化 “コミケ応援献血”の意義 | ORICON NEWS
数値で見る血液事業|日本赤十字社
B型肝炎予防接種状況2019
【厚労省】免疫グロブリン、自給率向上へ‐HBワクチンプログラム
抗コロナウイルス特殊免疫グロブリン製剤医師主導治験
Intravenous Immunoglobulin (IVIG) Significantly Reduces Respiratory Morbidity in COVID-19 Pneumonia: A Prospective Randomized Trial

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